【CASE1】開放感あるプライベート空間を存分に確保した住宅

  • 主要構造:木造
  • 施主:30代ご夫婦
  • 将来の家族構成:家族4人・両親2人
  • 参考予算:3,000万円

施主様は、30代のご夫婦。小さなお子様2人の4人家族です。行く行くはご両親も一緒に住めることを考えての設計依頼でした。ただし、2世帯住宅を希望されていたわけではありません。

施主様からのご要望をまとめると、宅づくりの大きなポイントは次のようなものになり、これらを満たす明るい開放感の家を設計しました。

  • 家の向かい側の高台になった場所にスーパーマーケットがあり、スーパーの駐車場から家の中が丸見えになるの避けたい
  • 明るく開放感のある家であること
  • 旦那様:趣味の部屋が欲しい
  • 奥様のご要望:1階にエステサロンを併設したい
  • 駐車場を自動シャッターにしたいが、素早く自動開閉できるものにして欲しい

南側に光だけを取り入れるガラスカーテンウォールを採用

家の正面は南側になります。本来ならば、普通に窓を設置していけば良いのですが、立地に問題がありました。家の向かい側は道路を挟んで高台になっていて、そこにはスーパーマーケットが建設されています。家よりも高い位置にスーパーマーケットの駐車場があるので、スーパーに来る人たちから家の中が丸見えになることを懸念されていました。

そこで、いっそ南側を全面壁にして、完全なる開放的なプライベート空間として活用できるように工夫しました。
写真の正面のガラスは、高層ビルなどの商業施設でよく利用されるガラスカーテンウォールと言われるものです。マジックミラーではなく、このガラスは、中からも外からも見えません。光だけを取り込むことができますので、南の明るい太陽の光を家の中に十分に取り込めます。

ガラスカーテンウォールとは?

壁面に使用したカーテンウォールガラスは、特注品です。
ガラスが割れて飛散してしまっては大変ですので、合せガラスを使用しています。強化ガラス(12mm)2枚の間にアクリル板(6mm)を挟み、合計3cmの厚さです。

この技術は、一般住宅建築ではほとんど採用されることはありません。が、当事務所は、豊富な商業施設設計の経験とノウハウを持ち合わせていますので、安心して住んでいただけるように、この技術を取り入れ、目隠し対策にしました。

お風呂の窓が全開でも安心

窓を開けて、外の空気を取り入れながらお風呂に入るのはこの上なく贅沢です。この家のお風呂は、南側に設置しました。カーテンウォールの内側はテラスになっています。このテラスを挟んでお風呂を設置、お風呂には大きな窓を取り付けました。

お風呂の窓もカーテンウォールを使っていますから、窓を閉めれば中からも外からも窓の向こうは見えません。

ですが、窓を開けて入っても、プライバシーは完全に守られます。隣接するテラス空間にはやはりカーテンウォールが設置されていますから、外から見られることが一切ありません。熱い湯につかりながら、安心して窓を開けて快適にお風呂に入ることができるのも、自由設計ができる注文住宅の強みと言えます。

イライラしないサっと静かに開閉する自動車庫扉

家の北側には車庫が設置されています。

最近の住宅では、車庫のセキュリティも兼ねて、自動で巻き上げるシャッターを取り付けることも珍しくありません。しかし、自動シャッターの難点は、車の中からリモコンで便利に操作できるとはいえ、シャッターの開閉時間がすごくかかること。これは、人によってはイライラしてしまうこともあります。

施主さまも、自動シャッターの開閉の遅さには難色を示していました。
そこで、当事務所では、この車庫の扉に「自動扉」を採用。そう、デパートやスーパー、パチンコ店など、多くの店舗で使われている、あの横開きの自動扉です。
誰もが知っているように、自動扉は、静かにサっと扉が開閉します。この技術を、車庫の扉に採用し快適な車庫扉を実現しました。

閉時のストレスが皆無なだけでなく、開閉音も静かなので、近所迷惑になることもありません。

これも、当事務所に商業施設のノウハウがあるからこそ実現できました。

自動扉の車庫
自動扉の技術を車庫の入り口に採用

大好きなハーレーを見ながら趣味の部屋で過ごす男の休日

旦那さまの希望の1つは、「趣味の部屋」が欲しいということでした。

趣味の部屋といっても、1つのフリーな空間で良かったので、ガレージの上にロフト空間を作り、キッチンやリビングへも移動できるように廊下をつなげました。

1つこだわったところは、趣味の部屋から1階のガレージを見下ろせ、また、はしごを使ってガレージと行き来できるところです。なぜなら、施主様は、ハーレー・ダビットソンを所有していたからです。

愛着のある大好きな乗り物は、できればいつでも見えるところにおいておきたいもの。休日、自分の好きな時間を趣味の部屋で自由に過ごし、さらに、見下ろせば階下に大好きなハーレーがある。多くの男が求める贅沢な空間なのかもしれません。

これも、自由設計が可能な建築設計事務所だからこそできる工夫です。

狭い空間を玄関と共用活用で広く見せたエステサロン

奥様の夢は、自宅エステサロンを持つこと。この家を建てることで夢を実現させました。

エステサロンは、1階玄関横に設置。サロンの入り口は、玄関とは別に設置し、お客様を直接迎え入れることができます。

しかし、サロンとしてのスペースはそれほど広くはありません。施術をするスペースは取れても、お客様のカウンセリングを行うスペースはありません。

そこで、サロンに隣接する玄関の一部を、可動壁によって使用できるように共用空間をつくりました。空間はちょうどテーブルと椅子がおける広さがあります。

お客様が来店しているときは、可動壁を移動して空間はサロンのもの。サロンを使用しないときは、空間を玄関に戻し、開放感ある玄関に変身。この空間は、ちょっとしたエクステリアを置く空間として活用できます。

2つの空間で一部分を共有する自由な発想が実現できるのも注文住宅の魅力です。